August 15, 2008

虚実では生きられない

どうにもならないのはわかっている。
わかってはいるが、あえて街に出た。
煩いくらいの人込み。私の頭の中に似ている。
ゆっくりと歩きながら、あらためてお財布の中を見た。
やっぱり・・・500円しか入っていない。
500円は500円。
勝手に増えているわけがない。
今、せめて1000円あったら・・・
そう思う自分が憎めしい。
持っている通帳は全部で3つ。
どれもからっぽのはず。
はずだがもしやと通帳記入してみた。
郵便局に地方銀行に都市銀行。
こまめに3つ回り、記帳する事に賭けた。
もしやってなに?と思いながら、しっこく記帳してみた。
なわけない。90円に400円に21円・・・。
でしょうよ。完全にピンチ。
この3つのお金と手持ち分で、
1000円になるのにと思う事が、
どうにも有り得ない。

500円のうち使えるのは200円。
残りの300円でトイレットペーパーを買わないと。
それも298円の品を何がなんでも探して。
もしも見つからない時は、
街で貰うティッシュをしばらく使おう。
なんて笑っちゃう思いつきなんだろう。

200円でお腹を満たすのは、
マックしかないと、
貧乏路線の王道に沿い、
マックに向かう自分が恨めしい。

ぐだぐだ思いながら、100円マックで、
ハンバーガーとシェイクのSサイズを買った。
2階に上がり、隅っこの席に座った。
ぼおおっとハンバーガーをほおばる。

確か一昨日もここに来たなあとぼんやり思う。
ドトールにはもう行けないなあとうっすら思う。
スタバなんて忘れようと真剣に思う。

いつからだろう。
今の生活に疑問を持つようになったのは。

心から愛されたくて愛したくて選んだこの毎日。
お金なんかなくても、
心さえ満たされれば充分と思ったあの日。

いつからだろう。
心のひずみに邪念が生まれたのは。

愛半分でいいから、
お金はやっぱりそこそこ必要。

数年前、愛のみを選んだ私は、
自分が生活する分は、
自ら稼ごうと真面目に動いた。
動いて動いて必死を重ねた。

重ねていく日々の中、体に違和感を抱きだした。

これが望んでいた形なのか?
これでいいのか・・・?

そんな中、届いた便り。

「元気にしているか?何か困ったことは?ない?」

読み終わった途端、涙が溢れ出し崩れた。
確かにそれなりに愛されていたんだ。
けど、戻る事はできない。
こんな遠い南の果てに来てしまった事を、
初めて悔いた瞬間。
愛おしい記憶を大事に抱え、
生きていこうと自分に言い聞かせた。

しかし、しばらくしてこれでもかと、
私を試すような追い討ちがかかった。

「出ておいで。店の前まで来ている」

3階の窓に走り寄り、下を見た。
楽になりたいと本心が走り出した。
なつかしさと甘ずっぱさでいっぱいになった。

踏み込んではいけないあらたな場面に、
堕ちていくのを感じた・・・。 続く




m-17_02412 at 05:04コメント(0)トラックバック(0) 

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